この季節は故郷の仙台よりもカナダのトロントを思い出します。
トロントはこの江陵に似ていて、冬から急に初夏になります。
トロントでは5月の初めに桜が咲き、木々が新しい葉を芽吹かせたとたん、
ぐっと夏に近づきます。
昨日まで着ていた重たいコートを脱ぎ捨てて、その中に備えていたTシャツ姿になって、強い日差しの中を賑わいとともに歩きだすのです。
この、冬から初夏にひといきに変わるのが、あまりにも強烈だったからか、わたしの中では、初夏=トロントになっているのでしょう。
今日、ショッピングセンターの帰り道、バスの中からスズカケの木の並木を見たら、まだやわらかい色の葉が日に輝いていました。
その木々を見ていたら、トロントにいたころ下宿していた家の近くにある通りが懐かしくなりました。中心街から家まで歩くときに通る古い家が並ぶその通りにはとても大きなスズカケの木が鬱蒼と茂って森のようでした。その通りでインラインスケートを練習したこと、家々の写真を撮ったこと、紫陽花がお化けのように大きくなることを知ったこと、一緒に歩いた人のことがあふれるように浮んできました。雨のあとはあまりもの緑の濃さにむせ返るくらいでした。
10年以上たった今でも、どうしようもなくトロントに、そしてもっと東にあるハリファックスに戻りたくなります。もう無理かもしれないけれど、もう一度、短い時間でも、あのころいたところに、ちょっとだけいられたらいいなと思うのでした。
**꽃돼지**
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